Androidアプリ開発に役立った書籍 (2)

前回(Androidアプリ開発に役立った書籍(1))に引き続き、書籍の紹介です。

前回紹介したのはAndroidアプリ開発を始めるにあたって必須となる知識が詰め込まれた書籍でしたが、今回紹介するのは可能な限り知っておいたほうが良いと思われる内容のものです。

まずはこちら。

Android Security  安全なアプリケーションを作成するために

Android Security  安全なアプリケーションを作成するために

Androidアプリ開発において考慮すべきセキュリティ周りに関して記述されています。昨今では、Androidに対するマルウェアが猛威を振るっているという記事を見かけることが多くなり、開発する場合はそういった脅威に対して今以上に気を使う必要があります。問題のない普通のアプリを作ったつもりでも、内部で扱っているデータ構造を第三者によって見抜かれてしまうこともあり得ます。例えば本書の中でも触れられていますが、インテントのエクストラ情報がLogCatに流れるケースもありますので要注意です。

次は、テストに関するものです。

Android Application Testing Guide (English Edition)

Android Application Testing Guide (English Edition)

洋書です。一般に、ソフトウェア開発におけるテストというのは品質保証という観点からも非常に重要なフェーズであるにもかかわらず、ことAndroidアプリ開発においてはテスト周りの解説が非常に少なかったりします。書籍ではもちろんのこと、ネット上でも「作る」部分に対して「評価する」部分についての情報が極端に少ないように思えます。そのような状況の中、Androidにおけるテスティングフレームワークについて詳細に記述されたこの書籍は、テストフェーズにおいて大いに参考になると思います。洋書とはいえ義務教育レベルの英文解釈ができれば、十分に読みこなせます。ただし、出版された時期が多少古いためか、例えばFragmentに関するテストの方法について触れられていないのが至極残念な所です。改訂版が出ることが望まれます。

最後に、いわゆるレシピ本。

AndroidSDK開発のレシピ第2版

AndroidSDK開発のレシピ第2版

このタイプの書籍は他にもたくさんありますが、私にとっては最も参考にしやすかった印象があります。不必要な情報は極力避けて、読者が望んでいるであろう必要な情報が端的に記述されています。意外にも、機能実装の部分だけではなく開発環境(Eclipse)の設定の解説が非常に参考になりました。レシピ本というのは、読む人の好みに寄って良し悪しが変わってくるので一概にこれが良いとは言い切れないのですが、この本は参照しやすいしコンパクトでもあるので手元に置いておいて損はないと思います。


以上、2回に渡って参考になった書籍を並べてみました。前回も書きましたが、ネットの情報だけでアプリ開発を進めることはおそらく可能でしょう。しかし、時間の節約を考えれば、コンパクトに体系的に纏まった書籍を活用することの方が、効率性という観点から有用であると思います。書籍によって大枠を掴み、個別の突っ込んだ問題についてはネット(Stack Overflowなど)を活用する。これがAndroidアプリ開発を進めるにあたっての王道かなと思います。